傘はある

健康で文化的な愛にあふれた生活

友人(目の奥が死んだ不幸なギャル) 3

友人(目の奥が死んだ不幸なギャル)から電話がきた。

「わたしの不幸の進捗状況を報告するね」
またか、また不幸な話が増えたのか。
彼女の不幸な話の8割は男関係が占めている。

彼女はダメ男が好きだ。
クズで、ろくな仕事をしてなくて、女関係にだらしがなくて、人間としてちゃんとしてない人間が好きだ。
誰にだって好みというものがあるから仕方がないと思うけれど、彼女に関して言えばそれは性癖に近いので手に負えない。

以前、彼女がドラッグストアに買い物に行くだけで浮気を疑ってきて時給200円で働いている借金持ちの男と付き合っていたことがあった。
彼女から話を聞いて、わたしは「もうそこまでクズなのがわかったんだから別れなよ」と言った。
「ここまできたらどこまでクズか見てみたくない?」
「みんなわたしが不幸になるのを求めてるんだよね?」
「ここまでのクズを捨てるのもったいなくない?」
「逆にクズ過ぎて興奮するっていうかさ、これが醍醐味じゃない?」
わかんない、わかんないよ。
「もういいんだよ…そろそろ幸せになってもいいんだよ…」とわたしが言うと「え…?わたし幸せになってもいいの…?でもごめん、わたしは不幸なのが何よりも幸せなんだよね…」と彼女は答えた。
もうお手上げだよ!!!!!

付き合いも長く、わたしは彼女の人となりを誰よりも、下手したら家族よりも理解していると思う。
仕方がないのでその不幸の進捗状況とやらを聞いてやることにした。

「職なし家なしバツ1アラフォーのヒモを養ってて、この前金がないって言うから食費やら携帯代やら元嫁のところにいる子供の養育費やら総額15万円を渡したんだよね」
想像の遥か上だった。
ヒモを養うところまではわたしも予想していたけれど、まさか養育費まで払っているとは思わなかった。
しかも15万円だなんて、新卒の初任給じゃねぇか。

「わたしがヒモを養うってあばちゃんの予言当たってたね〜もしかして千里眼の持ち主?やばくない?」と彼女は爆笑していた。
わたしの仕事のシフトを全く知らないにも関わらず、休憩中や休みの日などの空いてる時間に決まって電話をかけてくるアンタの方が千里眼の持ち主なんじゃないの。