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傘はある

健康で文化的な愛にあふれた生活

玄人と新参者

近所の銭湯に行ってきた。

実家で暮らしていた頃は父が生粋の風呂好きだったため毎日お風呂を沸かして湯船に浸かる習慣があったけれど、一人暮らしを始めてからの2ヶ月半はなにもかもか面倒で毎日シャワーで済ませていた。

銭湯は、古臭いあんま機や文字が掠れて読めなくなった注意書きの看板や長年蓄積されたタイルの汚れがあって、昭和をまるっと閉じ込めたような空間だった。
サウナで垂れた乳を振り回すおばさん、当たり前のように洗面器で入れ歯を洗う老婆、ひたすら股間だけを洗い続けるねんりん屋のバウムクーヘンみたいな体型の女、平日の昼間にも関わらず玄人たちがたくさんいた。

新参者のわたしは精いっぱい虚勢を張って偉そうに湯船に浸かりながら、他の入浴客たちの裸を眺めて過ごした。
銭湯や温泉に行くと、7年ぐらい前に美大に進学した友人から送られてきた「ヌードモデルのデッサンの授業を受けてるんだけど、ほんとうにいろんな乳首があるよ」と書かれた手紙を必ず思い出す。

ほんとうに、いろんな乳首があった。