傘はある

健康で文化的な愛にあふれた生活

相変わらず

仕事の関係で大阪に住んでいる高校の同級生と会った。
相変わらずだった。
相変わらず顔が薄くて、相変わらず色が白くて、相変わらず猫背で、相変わらず暗くて、相変わらず声が小さいせいで会話の内容がほとんど聞き取れなくて、相変わらずわたしへの愛がすごかった。

高校のときは一度も同じクラスにはならなかったけれど、なぜかめちゃくちゃ仲が良くてよく一緒に帰っていた。
公園のブランコに乗ってコンビニで買った肉まんを食べながら「おれ、脱童貞のとき挿入する穴を間違えてしまうかもしれない…」という彼のアホみたいな相談にわたしも真剣に答えたりしていた。

大阪での暮らしについて聞いたら「会社が倒産するかもしれなくて、友達は2人しかいなくて、休みの日はずっと枕を抱きしめてる」と言っていた。
「相変わらずだね」と笑ってしまった。

大阪での暮らしについて聞かれたので「寝起きの格好で歩いてたらユーチューバーに話しかけられて配信に参加したらリスナーに神降臨と崇められたり、隣人と騒音トラブルで揉めてちょっとだけ生活がしにくかったり、仕事帰りに電車の中で知らないおっさんに紙袋で殴られたりしてる」と言った。
「相変わらずだね」と笑われてしまった。
相変わらずってなんだよ。

彼とはかれこれ10年の付き合いになるけれど、出会ったときからわたしにめちゃくちゃ甘くて久しぶりに会ってもわたしにめちゃくちゃ甘かった。
わたしの話をひたすらウンウン聞いたあと「いや〜おれやっぱりあばちゃんのこと大好きだわ〜サイコーだわ〜」と言いながら飲み代を全部奢ってくれて、会社が倒産するかもしれないという不安を抱えたまま明日の仕事に備えて帰っていった。

昔からの知り合いと気兼ねなく楽しい酒が飲めてほどよく酔っぱらいサイコーの気分だったので、その足で彼氏の家に行って彼氏が買い置きしていたお高めの紅茶を飲んでお高めのわらび餅を食べた。
サイコーの休日だった。

相変わらずわたしは人の金で贅沢をしてしまった。