傘はある

健康で文化的な愛にあふれた生活

知らない人の金で酒を飲む

知らない人に話しかけられて知らない人の金で酒を飲んだ。
よくある、よくあることだ。

全身ユニクロ姿のすっぴんでドラッグストアに行こうと歩いていたら知らない男性に話しかけられた。
「あの〜すみません」
「ヒィヤァァァ!!!!!」
「驚きすぎでしょ」
「驚きました」
「これから飲みに行きませんか?」
「壺なら買いませんし風俗でも働きませんし宗教も興味ありません」
「いや…飲みに…」
「いいでしょう、行きましょう」

わたしに話しかけてきた人はYouTubeで配信をして生計を立てている所謂ユーチューバーというものらしい。
噂には聞いていたけれどユーチューバーってほんとうに存在するんだ、初めて見た。
ユーチューバーと言えばキンタマみたいな顔面のキンタマみたいな名前の人しか知らないので、わたしに話しかけてきたその人が有名なのかどうかもわからなかったけれど、YouTubeの配信だけで生活できるならわりと有名なのかもしれない。

「飲んでるところ配信してもいいですか?」と聞かれたので、顔を写さないならという条件付きで了承した。
変なところで気を遣う&生粋のエンターテイナーという性格が災いして、ひたすら下ネタをしゃべりまくった。
わたしの話なんて楽しいのか?と不安になって
2人で飲んでいたところに途中から参加した(界隈ではこのことを"凸した"というらしい)リスナーの35歳素人童貞の男性に聞いたら「やばいっす!来場者2700人ですよ!コメント数もやばいっす!しかもランキング今4位です!やばいっす!やばいっす!」と興奮していた。
いやいや、35歳素人童貞の闇の深さの方がやべぇだろ。

そういう動画配信を観たことがないし仕組みも全然わからないんだけど、そのユーチューバーの人がいつも配信すると来場者は多くて200人で、今回の2700人なんて数字はとりあえず神ががってるらしい。
「ランクが上がりました!ありがとう!」とめちゃくちゃ感謝もされた。
そして全部奢ってくれた、ラッキー。

2人と別れて電車に乗っていたら地元の友達から「元気ー?仕事はどう?友達できた?」とLINEがきた。
ユーチューバーとして生計を立てている30歳の無職と彼女いない歴=年齢の35歳素人童貞の友達ができたと返そうと思ったが、送る直前に考え直して「んーぼちぼちかな」と当たり障りのない返事をした。