読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

傘はある

健康で文化的な愛にあふれた生活

諸悪の根源

映画が苦手だ。
なんていうか全体的にめんどくさい。
小説や漫画はそんなことないんだけど、映画がつまらないと死ぬほど腹が立つ。
場合によっては諸悪の根源を突き止めてぶっ殺してやろうかぐらい思ってしまう。
誰かと映画を観に行くと終わったあと感想を言い合わなきゃいけない風潮も、自分の発した言葉で美的センスを推し量られるのではないかという不安になってしまいあまり得意ではない。

そもそも2時間も集中力が続かない。
肩が凝るし尻が痛くなるし煙草が吸いたくなる。
映画もテレビと同じように15分とか20分おきにCMを挟んでくれよ。

洋画は全員が同じ顔に見えるしカタカナばかりの名前が覚えられない。
「さっきあいつ殺されたのになんで今また出てきてるの…?」と戸惑ったり「ジョンもジョディもジョナサンも全員同じ名前やんけ」とイライラしてくる。
ものすごいCGを使っていると「金かかってんなぁ〜!」という感想しかない。

ピクサーとディズニーの違いがわからない。
観たことあるディズニー映画は『ピーターパン2』だけ。
アナと雪の女王』は友達に「お前みたいな人間は観なくていい」と言われたのでその通り観なかった。
ピクサーだかディズニーだかは立体的過ぎて酔って気持ち悪くなってしまい最終的にゲロを吐く。

ツイッターでみんなが金曜ロードショージブリ映画で盛り上がっていても特に興味がわかない。
ジブリ映画の『魔女の宅急便』はキキだかジジだかの名前の女の子がパンを届けに行くシーンしか知らないし、『天空の城ラピュタ』は「バルス!!!!」「親方!空から女の子が!」「目がぁ〜〜〜〜〜!!!!」というセリフしか知らない。

そんなわたしだけれど好きな映画もある。
ジョゼと虎と魚たち』はサイコーのハッピーエンドだし、『英国王のスピーチ』はこんなにもやさしい映画はないし、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は悲しみと愛が交互にやってくる。

この前彼氏と映画を観に行こうという話になった。
「わたし『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』が観たいな」
「おれコナンほとんど観たことない…」
「コナンに触れないでどうやって育ったのさ」
「それよりも『ズートピア』が観たい」
「え〜まあおもしろいらしいから別にいいよ…」

ほんとうはコナンが観たかった。
でもわたしも大人だしときには他人に譲ることも大切だということを知っているので今回は我慢した。
当日待ち合わせしてわざわざ映画館まで行ったにも関わらず、土壇場で急に『ズートピア』を観ることが死ぬほどめんどくさくなった。
「ねぇ、観るのめんどくさくなった…」
「そうか〜じゃあ今日はズートピア観るのやめとこうか」

わたしのワガママを嫌な顔ひとつせず受け入れてくれた挙句、カルディで安売りしていたホールトマト缶を2つ買ってくれた。
なんていい彼氏なんだ。