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傘はある

健康で文化的な愛にあふれた生活

この世で最も恐ろしい存在

実家の母から電話がきた。
「なんかヤフオクで韓流ドラマのDVD落とそうと思ったらパスワードわからんくてログインできないんだけど!!!」
知らんがな。
久しぶりに声を聞いてウルウルしてしまったわたしに謝れ。

わたしの母は一般女性としてはどうかはわからないが、母親としては素晴らしい人間だと思う。
金がないない言いながら家事を完璧にこなしつつ趣味の韓流ドラマ鑑賞を怠ることなくピーク時は3つの仕事を掛け持ちしていた。
金を出す分口も出すがきちんとした教育を受けさせてもらったと思うし、殴り飛ばされながらも礼儀作法や生きていくためのスキルを教え込まれたことに関してはほんとうに心から感謝している。
ありがたいことにわたしは適度に人に頼りつつも自分の力で生きていける強い人間に育った。

しかし学生時代は田舎のヤンキーだったので、引くぐらい根性が据わっている。
わたしが中学生のとき「あのね、わたしは自分を中心に世界が回ってると思ってるからそこんとこヨロシク」と宣言された。
宣言通り、母は自分を中心に世界が回っているような振る舞いをする。
父方の祖母(わたしの母にとっての姑)が亡くなって形見分けのときにはウン百万する1番高価な黒真珠を我先にと自分のものにしていたし、家族旅行でウンコが漏れそうだと車中で大暴れしてトンネルで野糞をかましていたし、近隣の農家を牛耳っていてわたしの母がいなければ野菜を全国に出荷できないらしい。

娘を叱るときのセリフが「おい、筋を通せよ筋をよ」なんて聞いたことないよ。
わたしは今年で26歳になるが、この世で最も恐ろしい存在は霊でも天災でもなく母だと思っている。

「アンタから送られてきた同期と写ってる写真見たけどアンタ以外全員ブスだね、アンタが1番めんこいよ」
母はなかなか親バカな一面もあるかわいいババアである。