傘はある

健康で文化的な愛にあふれた生活

最初に言ってくれ

引越したい。
ほんとうは北海道に帰りたいけれど、しばらく帰れなくていいから今の家から引越したい。

わたしの住んでいるマンションは駅から近くて交通の便はよくてお店もたくさんあって立地条件抜群、マンションは築浅で部屋は少々狭いけれど一人で住むには充分な広さだし綺麗でわりとおしゃれ。
ただ、隣人が最悪。
マジでマジでマジで最悪。

朝と晩に約2時間ずつ重低音が響く音楽を爆音で流すのが聴こえる。
うるせぇ、マジでうるせぇ。
お前はどんなに頑張っても音楽でビッグにはなれねぇんだよ。
なんだそのガチャガチャした音楽は、静かにやさしいフォークソングでも聴いとけや。

週末の夜になると友達を呼んで馬鹿騒ぎしている。
うるせぇ、マジでうるせぇ。
ここはパーティー会場じゃねぇんだよ。
近くの鳥貴族で安い酒を飲むか宅飲みするなら一晩中しっとりと互いの恋の話をしろ。

日中掃除機をかけていたら壁をドンドン殴られる。
仕事から帰って夕食の支度をしていたら玄関のドアノブをガチャガチャされる。
これはマジでびっくりするし普通に怖いからやめてください、お願いします。

ここ数日、朝仕事に行こうと玄関のドアを開けたら煙草の吸殻が落ちている。
明らかにわたしの部屋の前で煙草を吸い、床で揉み消した痕がある。
ふざけんなよ!!!!!
わたしはきちんと公共のマナーを守って煙草をを吸う善良な喫煙者なんだよ!!!!!!
昨今の禁煙ブームの中で淘汰されつつある喫煙者が生きていくためには周りへの配慮が何よりも大切なんだよ!!!!!!
そもそもわたしの部屋の前でそんなことしたらわたしが犯人だと思われてお金請求されたらどうすんじゃボケェ!!!!!!!
もう辛抱堪らん!!!!!!!!

管理人さんにチクった。
「おはようございます〜」
「お!おはようございます!」
「あの〜たいへん申し上げにくいんですが、ちょっとお伝えしたいことがありまして…」
「おや?なんでしょう?」
「あとここ数日わたしの部屋の前に吸殻が落ちてまして…なんていうか…わたしだと思われちゃうのもアレなんで…念のため身の潔白を訴えようかと…」
「ちょっと待ってください、心当たりがあります」
「心当たりあるんですか〜〜〜〜〜」
「部屋は何号室ですか?」
「わたしの部屋は○○号室です」
「なるほど、これは確信を持って言えるんですけどあなたの隣の部屋の人ですね…住み始めてからずっとマナーが悪くて他の住人からの苦情が絶えないんですよ」
「やっぱり〜〜〜〜〜」
「そもそもなんでそこの部屋選んじゃったんですか?!!?」
「え…?」
「その部屋だけはだめですよ!!!僕は管理人として全力であなたに住むのをやめるよう説得したかったですよ!!!」

管理人さん、それは最初に言ってくれよ。